エクスチュア総合研究所をご覧の皆様こんにちは、

インターン生の畝川(せがわ)です。

間が空いてしまいましたが、Adobe Summit 2日目の基調講演をレポートしたいと思います。

1日目はAdobeのビジョンや、それを実現するためのソリューションについての講演でした。

(よろしければそちらも合わせてご覧ください。)

2日目の基調講演では、「経験創造」に携わる各業界の人々が具体期に語ってくれます。

2日目の特徴は何と言っても豪華なゲスト陣。

ラインナップは以下の通りです。

① NVIDIA×Adobe 〜CEOが語るデジタルの未来〜

② J.J. Watt 〜現役NFL選手が語る経験とは〜

③ Twitter×LinkedIn×Facebook 〜マルチデバイス時代のSNS〜

④ Richard Branson 〜世界最高の実業家が語る経験と未来〜

それでは早速まいりましょう。

① NVIDIA×Adobe 〜CEO同士で語るデジタルの未来〜

NVIDIAのCEO、Jensen Huang氏が登壇します。

当サイトにいらしている方はご存知だと思いますが、念のため最初にNVIDIAの説明を。

NVIDIAはカリフォルニアに拠点を置く半導体メーカーで、主にコンピュータのグラフィック処理などを行うGPUを製造しています。GPUのシェアとしては世界第1位なのではないでしょうか。他にはIntelやAMDが頑張っていますが、NVIDIA製のGeForceシリーズが相当のシェアを占めているといえるでしょう。

公私ともに仲が良いという二人の雑談から始まったこのセッション。

まずはデジタル・トランスフォーメーションについて。

AIの時代が迫っている今日、企業にとってデジタル化を進めないという選択肢は「ありえない」そうです。

組織にデジタル・トランスフォーメーションを起こすことは容易ではありませんが、企業に求められるのは「Roll up the sleeves (気合いを入れる、頑張ること)」。とりとめのない話ですが、要は迷っている暇はないということでしょうか。

自組織の特徴を知り、テクノロジーを直感的に(intuitiveに)学び、そのテクノロジーをいかに取り入れるか考えることが必要となってきます。

次に話題にあがったのは3D処理、VR、ARについてでした。

3Dゲームのスクリーンショットを撮ることができるANSELというソフトにAdobe Senseiが導入されることで、ゲームのキャラクターの表情や、属性(人、馬、バケツなど)を自動で認識してくれるようになったり、人の輪郭に合わせて画像を保存することが可能に。

VRやARの発展により、3Dで作ったバーチャルな世界とシームレスにつながることができるようになり、顧客への経験提供にあらたな方法が加わることになります。

最後に話は「マーケティング」へ。

Huang氏にとってマーケティングとは「Storytelling(物語)」であり、いかにクリエイティブなStoryを作れるかがマーケティングの成功を左右すると述べていました。

② J.J. Watt 〜現役NFL選手が語る経験とは〜

続いて登壇したのは現役NFL(アメリカンフットボール)選手のJ.J. Watt 氏。

この人は成績優秀なだけでなく、NFL選手の中でも超「良い人」として有名で、さまざまなチャリティ活動やファンサービスを行っています。そんなスポーツマンシップ溢れるJ.J. Watt氏が語るのはチャリティ活動にまつわる経験について。

アメリカで甚大な被害をもたらしたハリケーンハービー。

彼はTwitterなどのSNSをフルに活用し、ヒューストンへの寄付金を集めました。

この時を振り返り、彼は「人は皆、人道的な良いことをしたいと思っているが、どう行動すればいいかわからずにいる。」と述べます。そして、人道的で素晴らしいことをする「経験」を手伝ったり、シェアするためのプラットフォーム(今回はSNS)の必要性を訴えていました。

そして、アメフト選手という謂わば花形の仕事についている彼は「努力によって人生はいかようにも変えられる」と言って話を締めくくりました。

③ Twitter×LinkedIn×Facebook 〜マルチデバイス時代のSNS〜

このセッションではTwitter、LinkedIn、Facebookという性質の異なるSNS3社の代表者がマルチデバイス時代のSNSについて語ります。

マルチデバイス時代は、ユーザと企業とのタッチポイントが膨大で、エンゲージメントまでの道筋も多種多様になり、企業にとっては管理が煩雑で、謂わば「めんどくさい」時代です。

しかしながら、これは自分たちにとって最大のチャンスの時代でもあると彼らは述べています。

顧客がコンテンツに触れる機会が増え、顧客行動に変化を及ぼしやすくなっているからです。

プライバシーの問題など、法整備が進みつつあり、ますますやることは増えていきますが、彼らはみな将来に期待をしているようです。

④ Richard Branson 〜世界最高の実業家が語る経験と未来〜

最後に登場したのはこの御方。

リチャードブランソン氏といえば、世界屈指の実業家(entrepreneur)。

高校を中退して雑誌を刊行してからというもの、様々な事業で成功し、いまや総資産は51億ドル(約5600億円)にのぼるとか。事業成功による経済的貢献と雇用創出が認められ、エリザベス女王から「ナイト」の称号を賜っています。この人はミスター(Mr.)ではなくサー(Sir)というわけです。日本語で言うと、リチャード・ブランソン卿です。

彼にとってビジネスとは人々の生活を豊かにすることであり、楽しい経験(experience to enjoy)を想像し、作り上げることが必要だと言います。そして、そのためには綿密な顧客観察が必要だそうです。実際にヴァージン航空では、飛行機に乗っている乗客を観察し、気づいたことを書き込むノートを社員に配布し、自らも観察したそうです。その結果飛行機移動を長時間の拘束時間ではなく、エンターテイメントとして楽しむ経験にするというアイデアが生まれ、今では当たり前となっている座席のモニターをいち早く導入したそうです。

彼は今話題のデザイン思考を無意識的に実践しているようですね。

そして、長期視点でビジネスを構築することが成功の秘訣だと言います。短期的な利益を追求し、コミュニティや地球環境に悪影響を及ぼすようなビジネスモデルはいずれ淘汰されるからです。ヴァージングループではVirgin Uniteというプロジェクトが設定され、グループ全体で貧困や教育格差といった世界中の問題に対峙しています。

そんな彼の一番の関心は宇宙産業だそうで、「宇宙に行くからみんな注目しておいてくれ!」としきりに言っていました。

 

以上が2日目基調講演のまとめでした。

いかがでしたでしょうか。

小手先のテクニックで商品を「買わせる」時代はとうに終わっています。これからはより良い経験を作り上げ、商品を「買ってもらう」時代です。

経験創造に成功している人たちは、一見次元の違う存在にも見えますが、「観察」など、自分にもできることはきっとあるはずです。手間を惜しまずに経験に携わることが大切だと言えるのではないでしょうか。